インバウンドセミナー 高野山 2013年3月12日

高野山でインバウンドセミナーを開催しました

 

2013年3月12日の午後と夜2回にわたり、和歌山県の高野山でインバウンドセミナーを開催しました。(主催:<午後の部>高野山異文化交流ネットワーク、<夜の部>高野町商工会)

午後のセミナーは、多くの外国人が宿泊する宿坊の関係者と外国人に高野山の魅力を伝える通訳・ガイド関係者を主な対象とし、米国人墨絵画家ジム・ハサウェイ氏の講演を中心に「感動を呼ぶ日本文化紹介と誤解を生まない異文化間コミュニケーション」と題して開催されました。

夜の部では、商店など商工会会員を対象に、当協会国際事業部長牛山よりインバウンドの現状や外国人対応をスムーズに行うためのツールの紹介をしました。

 

感動を呼ぶ日本文化紹介のヒント

NPO法人高野山異文化交流ネットワーク主催の「インバウンドセミナーin高野山」では、第一部として東京の下町台東区谷中在住の米国人墨絵画家ジム・ハサウェイ氏が「日本文化と高野山の魅力」について講演しました。

「高野山に来るような教養のある欧米人であれば仏教に関する本も読んでおり、彼らの知的興味を満足させるような説明が必要」「彼らの表情を観察しながら興味のあることを見つけ出し、日本人の観光客とは違う視点で高野山を紹介することも大事」また「多くの旅行者はネットの口コミサイトで高野山の情報を得ている。今ここに来ている外国人が皆さんの宣伝マンです」などというハサウェイ氏の「目から鱗が落ちる」コメントに、参加者はしきりに頷いていました。

 

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口コミサイトの重要性を強調するハサウェイ氏

照れながらロールプレーを行う宿坊関係者

 

英語をできるだけ使わない外国人対応法

第二部では、宿坊関係者に当協会オリジナル教材を配布し、そこに収録されているツール類を利用して、流暢な英語を話さなくても誤解を生むことなくスムーズに外国人対応ができることを紹介しました。

第二部の後半には、英会話講師の実績もあるハサウェイ氏の指導のもと、宿坊での外国人対応で重要な「電話での問い合わせ」「チェックイン」「館内の案内」などについてロールプレーを行い、立派に対応した若い宿坊スタッフに参加者から大きな拍手が湧きあがりました。

 

熱心に講演に聞き入る商工会関係者

 

商工会関係者とも活発な意見交換

同日夜高野町商工会が主催したセミナーには、忙しい業務の後にも関わらず多くの方に参加いただき、当協会国際事業部長の牛山が「インバウンドの現状と今後」および「できるだけ英語を使わない外国人対応法」について講演しました。

講演では、外国人が高野山滞在者全体の13%を占め(平成22年度)、観光客におけるインバウンドの比率が非常に高い特殊な地域性を指摘しつつ、国別のおもてなし方法や難しい英語を使わなくてもできる外国人対応法について紹介しました。また商工会、通訳・ガイドのNPOなど地域の関係者間で協力体制を作ることにより、更なるインバウンド振興につなげる方策を提案しました。

質疑応答では「席が空くのを待っている人がいても、のんびり席を立たない外国人に対しどう対処したらよいか」「大通りだけでなく、町の人の生活空間である路地にまで入って来るのはいかがなものか」など普段気になっている問題について質問が出るなど、活発な意見交換が行われました。

 

観光経済新聞3月30日号に掲載されました。